「国際契約実務のための予防法学」

表題の本を紹介したいと思います。

知的財産関係の契約の仕事をするようになって1年になります。それまでは特許の仕事をしていました。私は産業財産権法以外を体系的に学んだことはなく、それ以外の法をより理解する必要を感じています。(実際のところ、ほとんど全くその学習時間はとれないのですが)

そのような状況で、某ブログで紹介されていたこの本が国際私法、国際民事訴訟法についてまさに私の知りたいことを提供してくれてました。

 

国際的な契約には、殆ど例外なく、準拠法の規定があり、さらに裁判管轄、仲裁又はその両方の規定があります。

しかし、例えばライセンサーが特許を第三者に譲渡してしまった場合のライセンシー保護(第三者対抗)はその特許の登録法が適用されるのでしょうか?契約準拠法が適用でしょうか?ライセンサーが破産した場合はどうなるでしょうか?

契約で専属管轄を決めた場合、差止請求をしたいとき、その裁判所での確定判決が、差止したい国で承認されない場合はどうすればよいでしょう?

そのようなことを考え、調べるために知っておくべき情報がまとまっているように思います(実はまだざーっとしか読んでいませんが)。

国際契約実務のための予防法学―準拠法・裁判管轄・仲裁条項
国際契約実務のための予防法学―準拠法・裁判管轄・仲裁条項

 

そして、仕事とは関係ないのですが、国際裁判管轄ルールにおける消費者保護のための特則に関連する以下の記述も印象に残りました。

問題となるのは、対消費者ビジネスにおいて、3条の7第5項に照らせば有効でない専属管轄合意条項(たとえば事業主に対する訴えは事業者の住所地・主たる営業事務所所在地のみに提訴できると定める条項)を置いた約款を用い、3条の4第1項によれば本当はその条項は無効であり、消費者は自己の住所地国で提訴できることができるにもかかわらず、当該条項を有効であると誤解し、提訴事態を断念することを期待するという戦術を事業者がとることの当否である。これは、広い意味でのコンプライアンスの観点から問題があるというべきである。」(p.181, なお条項は民事訴訟法)

グーグルの利用規約について、当該規約の定め通りアメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララでグーグルに対する裁判は起こさなければならないので、日本人には大変だという趣旨のブログ記事等を複数読んだ記憶がありますが、本当は、日本で契約締結した消費者は、事業者グーグルを日本の裁判所で訴えることができるということですね(少なくとも今の民事訴訟法の下では)。

 

Kazu について

西暦1970年生まれのKazu
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